• 2026年7月6日
  • 2026年7月8日

便潜血検査(検便)の正しい採り方|生理中や下痢の時はどうする?【消化器内科専門医監修】

こんにちは、川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック(旧木暮クリニック)です。

健康診断の時期が近づくと手元に届く「便潜血検査(検便)」のキット。 封を開けて説明書を読んだものの、「提出日と生理がかぶってしまったらどうしよう?」「最近お腹がゆるくて下痢気味だけど、このまま採っても大丈夫?」と、誰にも相談できずにトイレの中で一人悩んでしまう患者様は非常に多くいらっしゃいます。

また、「うまく便が採れなくて、適当にこすって出してしまった」という声も耳にします。

しかし、便潜血検査は正しい方法で採取しないと、せっかくの「大腸がんの早期発見のチャンス」を逃してしまう可能性があるのです。

この記事では、消化器内科専門医の視点から、便潜血検査の正しい採り方と、女性ならではの生理中のお悩み、イレギュラーな下痢・便秘の際の対処法について分かりやすく解説します。

これを読めば、迷うことなく正しく検査に臨めるようになりますよ。

1.まずは基本!便潜血検査(検便)の正しい採り方

便潜血検査は、目には見えない極めて微量な血液が便に混じっていないかを調べる検査です。早期の大腸がんやポリープが腸内にあると、便が通過する際にこすれて出血することがあるため、その血液をキャッチして大腸の異常を早期に発見します。

正確な結果を出すためには「正しい採便のステップ」を守ることが大切です。

  • 便器の水に浸からないようにする

便が水に浸かってしまうと、血液が溶け出したり、水の中の成分が反応してしまったりして正しい結果が出ません。キットに付属の「採便シート(トレールペーパー)」を水面に敷くか、トイレットペーパーを何枚か重ねて敷き、その上に排便するようにしましょう。

  • 便の「表面」をまんべんなく広くこする

採便用のスティック(棒)の先端にある溝が埋まる程度に便を採取します。このとき、1箇所だけを深く刺すのではなく、便の表面をまんべんなく、広範囲にこすり取るのが最大のポイントです。なぜなら、腸の奥から出血した血液は、便の表面に付着していることが多いからです。

  • 冷暗所で保管し、速やかに提出する

便の中の血液(ヘモグロビン)は、温度が高い場所では時間の経過とともに壊れてしまいます。採取した容器は、提出日まで冷蔵庫などの冷暗所で保管し、なるべく早く医療機関へ提出してください。

⚠️ 2日法の場合は、必ず「別々の日」に採りましょう

大腸がんやポリープは「毎日、常に」出血しているわけではありません。たまたま便がこすれずに出血しない日もあるため、少しでも病気を見逃すリスクを減らすために、必ず異なる2日分の便を採取してください。

2.生理中や下痢の時はどうする?女性によくあるお悩みQ&A

女性患者様から特によくご相談いただく「こんな時はどうやって採ればいいの?」という疑問にお答えします。

  • Q. 生理中(または生理の前後)に便を採ってもいいですか?

A. 生理中の採便は絶対に避けてください。 便潜血検査は「便に血液が混じっているか」を調べる検査です。生理中やその前後に採便すると、経血が便に混ざってしまい、大腸からの出血ではないのに「陽性(異常あり)」となってしまう「偽陽性」の確率が非常に高くなります。提出日が迫っていても無理に採取せず、生理が完全に終わってから数日後に採取するようにしてください。医療機関や健診センターに事情を伝えれば、提出期限をずらしてもらえることがほとんどです。

  • Q. 下痢の時や、水のような便でも採っていいですか?

A. 下痢の時の採便はおすすめできません。 水様便やひどい下痢の場合、便の成分が薄まってしまったり、スティックにうまく便が採取できなかったりして、正しい判定が出ない可能性があります。少し日を空けて、便の状態が落ち着いてから採取するようにしてください。

  • Q. 便秘がひどくて、2日分の便が出ません!

A. 出た日数分(1日分)だけでも提出しましょう。 どうしても2日分採れない場合は、無理をせず、採れた1日分だけでも提出してください。ただし、数日前に採った便を常温で長く放置すると血液が壊れてしまうため、保管には十分に注意が必要です。

3.もし「陽性」になったら?「1回だけだから大丈夫」は危険なサイン

もし、提出した検便の結果が「陽性(+)」だった場合、「私は普段から便秘がちだし、切れ痔があるからどうせそのせいだろう」「1回は陰性だったし、たまたま痔が出血しただけよね」と自己判断して放置してしまう方が非常に多いです。

しかし、「痔があること」と「奥に大腸がんやポリープがないこと」は全くの別問題です。 実際、お尻からの出血を「いつもの痔だろう」と思い込んで放置していた患者様が、後日大腸カメラを受けたところ、痔のさらに奥深く(盲腸や結腸)に進行した大腸がんが見つかるケースが医療現場では多々あります。

また、2回のうち「1回だけ陽性」だった場合でも、大腸カメラを受けると約30〜40%の確率で大腸ポリープ(前がん病変)が見つかります。 陽性のサインは、決してがんの宣告ではなく、「将来の大腸がんの芽を摘むための絶好のチャンス」です。自己判断せずに、必ず大腸カメラでの精密検査を受けてください。

4.当院だからできる、女性が安心して受けられる痛くない大腸カメラ

「精密検査が必要なのは分かったけれど、大腸カメラはお尻を見られるのが恥ずかしいし、何より痛そうで怖い…」そんな不安から受診をためらってしまう女性患者様のために、当院では徹底した配慮を行っています。

  • 熟練の「女性医師」による安心の検査

当院では、日本消化器内視鏡学会認定の専門医・指導医である院長をはじめ、経験豊富な女性医師が検査を担当します。女性ならではの羞恥心や不安に最大限配慮した環境を整えており、リラックスして受けていただけます。

  • 痛みに配慮した高度な「軸保持短縮法」

腸を無理に押したり引っ張ったりせず、アコーディオンのように優しく折りたたみながらほぼ直線的にカメラを進める「軸保持短縮法」を採用しているため、腸が引っ張られる痛みが一切ありません。

  • 眠ったまま受けられる「鎮静剤」の活用

点滴から鎮静剤(静脈麻酔)を使用するため、ウトウトと眠っているような状態で、あっという間に検査が終わります。恐怖心を感じる暇もありません。

  • 生理中でも大腸カメラは受けられます

検便とは異なり、精密検査である大腸カメラは、ナプキンやタンポンを使用していただければ生理中でも問題なく検査が受けられますのでご安心ください。

5.まとめ:検便は正しく採って、陽性なら必ず大腸カメラを!

便潜血検査は、大腸がんを早期に発見するための非常に手軽で優れた検査です。だからこそ、生理中や下痢の時期を避け、正しい方法で採取することが命を守る第一歩となります。

そして万が一「陽性」という結果が出た場合は、決して一人で悩んだり、怖がって放置したりしないでください。大腸がんは、早期に発見してポリープのうちに切除すれば、未然に防ぐことができる病気です。

「お腹の不安」をすっきりと解消し、毎日を笑顔で安心して過ごすために、ぜひ当院の「苦痛の少ない大腸カメラ」を頼ってくださいね。スタッフ一同、あなたの健康を全力でサポートいたします。

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