- 2026年8月26日
クローン病とは?若い世代にもみられる腸の慢性的な炎症
腹痛や下痢は、食べ過ぎや疲れ、体調の変化などでも起こるため、つい様子を見てしまいがちな症状です。何度か繰り返していても、「そのうち治るだろう」と考えて受診せずに過ごす方も少なくありません。特に学校や仕事で忙しい年代では、自分の体調よりも、日々の予定を優先してしまうことがあります。
ただ、腹痛や下痢が長く続いている場合や、体重が減ってきた場合には、腸の病気が関係していることもあります。若い世代にもみられる代表的な病気の1つがクローン病です。ここでは、クローン病とはどのような病気なのか、原因や症状、治療について順に解説します。
クローン病とは
クローン病は、消化管に慢性的な炎症が起こる炎症性腸疾患の1つです。炎症によって腸の粘膜に潰瘍などができたり、腹痛や下痢などの症状が続いたりします。症状が落ち着く時期と悪化する時期を繰り返しながら経過するのが特徴で、国の指定難病にも含まれています。
病変は、口から肛門までの消化管のどこにでも生じる可能性があります。なかでも、小腸や大腸にみられることが多く、炎症が起こる場所や広がりによって、症状の出方にも違いがあります。
クローン病は若い世代にもみられる
クローン病は幅広い年代で発症する可能性がありますが、特に10代から20代に多くみられます。進学や就職など、生活が大きく変わる時期に症状が出始めることもあります。
若い年代では、下痢や腹痛を「もともとお腹が弱い」「ストレスが原因」と考えてしまうこともあります。しかし、体重減少や発熱、食欲低下、肛門周囲の痛みなどがみられる場合は注意が必要です。症状を繰り返しているときは、消化器内科などで原因を確認することが大切です。
クローン病の原因
クローン病の原因は、まだ完全には明らかになっていません。現在は、遺伝的な体質に加えて、腸内細菌のバランスや食生活などの環境要因が重なり、腸の免疫反応がうまく調整できなくなることで炎症が続くと考えられています。
特定の食品や生活習慣だけが直接の原因となる病気ではありません。喫煙との関連も指摘されていますが、発症にはいくつもの要因が関わっています。そのため、現在の炎症の程度や症状を確認しながら治療を進めていくことが重要です。
クローン病でみられる主な症状
代表的な症状は腹痛と下痢です。そのほか、発熱、体重減少、食欲低下、倦怠感、貧血などがみられることがあります。小腸に強い炎症がある場合には、栄養を十分に吸収できず、栄養状態が低下することもあります。
また、肛門周囲膿瘍や痔瘻などの肛門病変がみられ、それをきっかけにクローン病が見つかるケースもあります。関節や皮膚、口腔、眼など、腸以外に症状が現れることもあるため、腹部以外の変化も診断の手がかりになります。
炎症が続くことで起こる合併症
クローン病では、炎症が腸の表面だけでなく、深いところまで広がることがあります。炎症と治癒を繰り返しているうちに腸が狭くなる「狭窄」が起こると、食べ物や便が通りにくくなり、腹部の張りや強い腹痛、吐き気、嘔吐などが現れることがあります。
さらに、腸と腸、腸と皮膚などの間に異常な通り道ができる瘻孔や、膿がたまる膿瘍、腸に穴が開く穿孔などが起こる場合もあります。こうした合併症では手術が必要になることもあるため、症状が落ち着いている時期も定期的な診察が大切です。
クローン病の検査と診断
クローン病が疑われる場合は、いつから症状が始まったのか、腹痛や下痢の程度、体重の変化、発熱や肛門症状の有無などを確認します。そのうえで、血液検査や便検査、内視鏡検査、画像検査などを組み合わせて診断していきます。
大腸内視鏡検査では、大腸や小腸の末端部などを直接観察し、クローン病に特徴的な潰瘍などがないかを確認します。病変が小腸に広がっている可能性がある場合には、CTやMRI、腹部超音波、小腸内視鏡などを行うこともあります。1つの検査だけで判断するのではなく、複数の情報を合わせて診断します。
クローン病の治療
クローン病の治療では、まず炎症を抑えて症状を落ち着かせ、その状態をできるだけ長く保つことを目指します。治療の中心になるのは薬物療法と栄養療法で、炎症の強さや病変の場所、症状などに合わせて方法を選びます。
薬物療法では、5-ASA製剤、副腎皮質ステロイド薬、免疫調節薬、生物学的製剤などが使用されます。一方で、狭窄や瘻孔、膿瘍、穿孔などがあり、薬による治療だけでは対応が難しい場合には、手術を検討します。症状が落ち着いてからも、再燃を防ぐために治療を続けることが大切です。
日常生活で意識したいことと受診の目安
クローン病では、治療とあわせて食事の内容にも気を配ります。炎症が強い時期には腸への負担を抑えながら必要な栄養をとることが大切です。ただし、自己判断で食べられるものを減らしすぎると、かえって栄養不足につながることがあります。食事については、医師や管理栄養士と相談しながら調整していきます。
腹痛や下痢が何度も続いている、理由がわからないまま体重が減っている、発熱を繰り返している、肛門の周囲に腫れや痛みがある場合には、早めに医療機関へ相談してください。クローン病は長く付き合っていく病気ですが、状態を確認しながら治療を続けることで、症状を落ち着かせながら日常生活を送ることを目指せます。
川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック
当院は女性医師が院長の内視鏡・消化器内科クリニックです。治療が不安な方にも、丁寧に説明を行い、安心して治療できる環境を備えています。消化器内科専門の男性医師も在籍しており、男性・女性問わず受診しやすい体制を整えています。
当院では、内視鏡機器と鎮静剤を用いて楽に受けられる内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)検査を行っています。胃・大腸の不調の原因や、がんの早期発見・早期治療ができ、日帰り大腸ポリープ切除や内視鏡を専門とする多数の医療機関と連携して治療を行っています。溝の口駅から徒歩5分です。
気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。