- 2026年8月26日
腸閉塞とは?お腹の張りや吐き気があるときに注意したい状態
お腹の張りや吐き気は、食べ過ぎや便秘、胃腸の疲れなどでも起こる身近な症状です。少し休むと落ち着くこともあるため、すぐに受診するべきか迷う方も少なくありません。ただ、普段と似た症状でも、腸の中では早めの対応が必要な変化が起きている場合があります。
特に、お腹の張りが強くなる、吐いても改善しない、腹痛を繰り返す、便やガスが出なくなるといった症状には注意が必要です。こうした症状の原因の1つに腸閉塞があります。ここでは、腸閉塞とはどのような状態なのか、原因や症状、検査、治療、受診の目安まで解説します。
腸閉塞とは
腸閉塞とは、食べ物や水分、消化液、ガスなどが腸の中をうまく通れなくなった状態です。流れが止まると、閉塞している場所より手前に内容物がたまり、腸が膨らんでいきます。その結果、腹痛やお腹の張り、吐き気、嘔吐などが現れ、さらに進むと便やガスが出にくくなることもあります。
腸が物理的にふさがっている状態を腸閉塞、腸の動きが弱くなって内容物を運べない状態をイレウスと分けて考えることがあります。また、腸が締め付けられて血流まで悪くなる「絞扼性腸閉塞」は、腸管が傷むおそれがあるため、特に早い対応が求められます。
腸閉塞が起こる主な原因
成人の腸閉塞でよくみられる原因の1つが、過去の腹部手術による癒着です。手術後の治癒過程で腸管と周囲の組織がくっつくと、腸が引っ張られたり折れ曲がったりして、内容物が通りにくくなることがあります。手術から長い期間が経過してから発症する場合もあります。また、大腸がんや大きなポリープ、クローン病による狭窄なども原因になります。
そのほか、腸がねじれる腸捻転、ヘルニアに腸管がはまり込む嵌頓ヘルニア、腸の一部が隣の腸管内へ入り込む腸重積などでも起こります。腹膜炎や腹部手術後の影響、一部の薬剤などによって腸管の動きが低下し、物理的な詰まりがなくても、内容物を送り出せなくなることがあります。
お腹の張りや吐き気などの症状
腸閉塞では、お腹の張り、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲低下、便やガスが出にくくなるといった症状がみられます。腸は中にたまったものを先へ送ろうと収縮するため、痛みが強くなったり弱くなったりと、波のように繰り返すことがあります。ガスや消化液がたまるにつれて、お腹の膨らみや苦しさも強くなっていきます。
症状の出方は閉塞している場所や程度によって異なります。小腸の閉塞では比較的早い段階から吐き気や嘔吐が出やすく、大腸の閉塞では便秘やお腹の張りが目立つことがあります。部分的な閉塞では少量の便が出たり、下痢がみられたりすることもあるため、排便があるだけで腸閉塞を否定することはできません。
特に注意したい絞扼性腸閉塞
絞扼性腸閉塞は、腸がねじれたり締め付けられたりして、血流まで障害された状態です。血流が不足した状態が続くと腸の組織が傷み、壊死や穿孔につながることがあります。さらに、腸の内容物が腹腔内へ漏れると、腹膜炎などを起こし、全身の状態が悪化することがあります。
強い腹痛がずっと続く、腹部を押すと強く痛む、発熱や冷や汗がある、顔色が悪いといった変化があるときは注意が必要です。ただし、こうした症状だけで血流障害の有無を見分けることはできません。急に強い症状が出たときや痛みがなかなか治まらないときは、自宅で長く様子を見ないことが大切です。
腸閉塞の検査と診断
腸閉塞が疑われる場合には、症状が始まった時期や腹痛の場所、嘔吐の有無、最後に便やガスが出た時期などを確認します。過去に腹部手術を受けたことがあるか、ヘルニアや大腸がん、炎症性腸疾患などの既往があるかも診断の手がかりになります。
画像検査では腹部X線検査やCT検査などが行われます。CT検査では、閉塞している位置や原因、腸管の拡張、血流障害を疑う変化などを詳しく確認できます。必要に応じて血液検査も行い、脱水や炎症の程度、全身への影響などを調べます。
腸閉塞の治療方法
治療方法は、閉塞の原因や程度、腸への血流が保たれているかによって異なります。血流障害がない場合には、食事や水分の摂取を一時的に控えて腸を休ませ、点滴によって水分や電解質を補います。腸の中に液体やガスが多くたまっている場合には、鼻から胃管やイレウス管を入れて内容物を排出し、腸管内の圧力を下げることがあります。
一方、絞扼性腸閉塞が疑われる場合や、完全な閉塞が続いている場合、保存的治療で改善しない場合には手術が必要になることがあります。手術では癒着の解除や腸管のねじれの解除、原因となる病変の切除などを行います。腸管壊死が起きている場合には、その部分を切除します。
腸閉塞が疑われるときの受診の目安
軽い便秘や食べ過ぎでも、お腹の張りや吐き気が一時的に現れることはあります。ただ、お腹の張りが次第に強くなる、何度も吐く、水分を飲んでも吐いてしまう、腹痛を繰り返す、便やガスが出ないといった症状が重なっている場合には、腸閉塞を含む消化器の病気を考える必要があります。
特に、突然強い腹痛が起こった、痛みが持続している、発熱や冷や汗がある、顔色が悪い、ぐったりしているといった場合には、緊急性の高い状態も考えられます。腸閉塞は症状だけで原因や重症度を判断することが難しいため、普段とは違う症状や悪化する変化がある場合には、早めに医療機関へ相談してください。
腸閉塞を繰り返す場合に意識したいこと
腸閉塞は原因によって再発することがあります。特に腹部手術後の癒着が原因となっている場合には、治療後も再び通過障害が起こる可能性があります。過去に腸閉塞を経験している方は、前回発症したときの腹痛やお腹の張り、吐き気などの特徴を把握しておくことが大切です。
また、大腸がんやクローン病などが原因となっている場合には、背景にある病気の治療や経過観察が必要です。お腹の張りや吐き気は身近な症状ですが、腸閉塞では早い対応が必要になる場合があります。いつもと違う症状が続いていると感じたときには、悪化するまで我慢せず、早めに医療機関へ相談することが大切です。
川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック
当院は女性医師が院長の内視鏡・消化器内科クリニックです。治療が不安な方にも、丁寧に説明を行い、安心して治療できる環境を備えています。消化器内科専門の男性医師も在籍しており、男性・女性問わず受診しやすい体制を整えています。
当院では、内視鏡機器と鎮静剤を用いて楽に受けられる内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)検査を行っています。胃・大腸の不調の原因や、がんの早期発見・早期治療ができ、日帰り大腸ポリープ切除や内視鏡を専門とする多数の医療機関と連携して治療を行っています。溝の口駅から徒歩5分です。
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