- 2026年9月18日
食道裂孔ヘルニアとは?原因や症状・検査・治療方法を解説
食後に胸やけを感じたり、横になると酸っぱいものが上がってきたりする場合、胃酸の分泌だけではなく、胃と食道の位置関係が影響していることがあります。消化管の不調は症状だけでは原因を判断しにくいため、繰り返す場合は身体の構造も含めて確認することが大切です。
食道裂孔ヘルニアは、胃カメラや健康診断後の検査で見つかることもある病気です。無症状の場合がある一方、胃酸の逆流を起こしやすくなり、胸やけや呑酸などにつながることがあります。ここでは、食道裂孔ヘルニアの原因や症状、検査、治療方法について解説します。
食道裂孔ヘルニアとは
食道裂孔ヘルニアとは、本来は横隔膜より下にある胃の一部が、横隔膜にある「食道裂孔」を通って胸の方へ入り込んだ状態です。横隔膜は胸とお腹を隔てる筋肉で、食道はこの食道裂孔を通って胃につながっています。
食道裂孔が広がると、胃の入口付近が上方へ移動しやすくなります。症状がなく、胃カメラで偶然見つかることもありますが、胃と食道の境目にある逆流防止機能が低下すると、胸やけや呑酸などが現れる場合があります。
食道裂孔ヘルニアの種類
食道裂孔ヘルニアにはいくつかのタイプがあります。よくみられるのが滑脱型です。食道と胃のつなぎ目である胃食道接合部が、胃の一部とともに横隔膜より上へ移動します。このタイプは胃酸の逆流を伴いやすく、逆流性食道炎との関連もみられます。
このほか、胃食道接合部は大きく動かず、胃の一部が食道の横から胸腔内へ入り込む傍食道型や、両方の特徴を持つ混合型があります。種類や大きさによって症状や治療方針が異なるため、状態を詳しく確認することが重要です。
食道裂孔ヘルニアの原因
主な原因として、食道裂孔の周囲を支える筋肉や組織の弱化が挙げられます。加齢によって横隔膜周辺の組織が弱くなると食道裂孔が広がり、胃が胸腔側へ移動しやすくなります。脊椎の変形や前かがみの姿勢などが影響することもあります。
また、肥満による腹腔内圧の上昇も原因の1つです。内臓脂肪が増えて胃が上方へ押されるほか、慢性的な咳や便秘による強いいきみなど、繰り返し腹圧がかかる状態も影響します。複数の要因が重なって発症するケースも少なくありません。
食道裂孔ヘルニアの症状
食道裂孔ヘルニアがあっても、必ず症状が出るわけではありません。症状がある場合には、逆流性食道炎をきたし、胃酸や胃の内容物が食道へ戻ることで起こる胸やけ、呑酸、げっぷ、みぞおちの不快感などがよくみられます。胸のあたりがつかえるように感じる方もいます。
症状は、食後や横になったとき、前かがみになったときに出やすくなる傾向があります。また、胃酸が喉のほうまで上がると、喉の違和感や声のかすれ、咳につながることもあります。胸の強い痛みや飲み込みにくさがある場合は、食道裂孔ヘルニア以外の病気も考えられるため、早めの確認が必要です。
逆流性食道炎との関係
胃と食道の境目には、胃内容物が食道へ戻るのを防ぐ仕組みがあります。しかし、食道裂孔ヘルニアによって胃食道接合部の位置がずれると、この機能が低下し、胃酸が食道へ逆流しやすくなります。
胃酸の逆流が繰り返されると食道粘膜に炎症が起こり、逆流性食道炎につながることがあります。ただし、食道裂孔ヘルニアがある方すべてに逆流性食道炎が起こるわけではありません。ヘルニアの程度や胃酸逆流の状態を踏まえて判断します。
食道裂孔ヘルニアの検査
食道裂孔ヘルニアの確認には、上部消化管内視鏡検査である胃カメラが用いられます。胃カメラでは食道から胃、十二指腸までを直接観察でき、胃食道接合部の位置や食道裂孔ヘルニアの有無を確認できます。
同時に、逆流性食道炎による炎症やびらん、潰瘍などがないかも調べられます。必要に応じて組織を採取する生検を行うほか、X線検査やCT検査、食道内の酸を調べる検査(24時間pHモニター検査) などを組み合わせる場合もあります。
食道裂孔ヘルニアの治療方法
症状がなく、合併症の心配が少ない場合には、経過観察となることがあります。胸やけや呑酸などがある場合は、食生活や体重管理などの生活習慣を見直しながら、胃酸の分泌を抑える薬を使用します。
薬を使用しても症状が改善しない場合や、大きなヘルニアによって胃の通過障害などが起きている場合には、手術(内視鏡的噴門部粘膜焼灼術 (ARMA アーマ)または腹腔鏡下噴門形成術 )が検討されることもあります。ヘルニアの種類や大きさ、症状、年齢、全身状態などを確認して治療方針を決定します。
日常生活で意識したいこと
胃酸の逆流を抑えるためには、胃に負担をかけすぎないことが大切です。一度にたくさん食べると胃の中の圧力が高くなるため、食事量にも気を配りましょう。食後すぐに横にならないことや、寝る直前の食事を控えることも症状の予防につながります。
胸やけや呑酸が続く、食べ物がつかえる感じがある、胸の痛みを繰り返すといった場合は、医療機関で相談することをおすすめします。食道裂孔ヘルニアは胃カメラで確認できるため、症状が気になるときは原因を調べ、状態に合った治療につなげることが大切です。
川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック
当院は女性医師が院長の内視鏡・消化器内科クリニックです。治療が不安な方にも、丁寧に説明を行い、安心して治療できる環境を備えています。消化器内科専門の男性医師も在籍しており、男性・女性問わず受診しやすい体制を整えています。
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