• 2026年6月30日

IBS(過敏性腸症候群)は完治する?「ずっと付き合う病気」と言われる理由と本当のゴール【消化器内科専門医監修】

こんにちは。川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック(旧木暮クリニック)です。

毎朝の通勤電車で急に冷や汗が出るほどの腹痛に襲われ、各駅停車で何度も途中下車してしまう…。あるいは、大事な会議の途中でトイレに行きたくなったらどうしようと不安で、目の前の仕事に全く集中できない…。 そんな日常の「あるある」な悩みを抱え、ネットで検索しては「もしかして一生治らない病気なのでは?」と不安を膨らませている患者様は、決して少なくありません。

「ずっと付き合うしかない」と言われがちなIBS(過敏性腸症候群)ですが、決して希望がないわけではありません。この記事を最後までお読みいただくことで、なぜ「完治しない」と誤解されがちなのか、その理由がわかります。そして、医療と二人三脚で目指すべき「本当のゴール」を知ることで、これまで抱えていたお腹の不安がすっと和らぎ、前向きに治療に取り組むための安心感と希望を持っていただけるはずです。

1.IBSは完治するの?専門医が考える「本当のゴール」とは

結論からズバリ申し上げますと、IBS(過敏性腸症候群)の治療において目指すべき本当のゴールは、「完全に症状をゼロにする(=完治)」ことではなく、「症状を上手くコントロールし、日常生活に全く支障がない状態」を維持することです。

なぜなら、IBSは特効薬を1回のめばウイルスを退治してすぐに治る、といった単純な病気ではないからです。実際のところ、日本人の約10〜15%、つまり10人に1人以上の割合でIBSの症状を抱えているというデータがあり、特に20代〜40代の方に多く見られる、非常に身近な病気なのです。

「一生治らないなんてショック…」と思われるかもしれませんが、どうかご安心ください。適切な治療や生活習慣の見直しを行うことで、約70〜80%の患者様が「トイレの不安を感じることなく、元気に外出できる」状態まで改善しているという報告もあります。「絶対に腹痛を起こしてはいけない」「完全に治さなければ」と完璧を求めてしまうと、そのプレッシャー自体が新たなストレスとなり、かえって腸に負担をかけてしまいます。「多少お腹が鳴っても大丈夫」「お薬があるからコントロールできる」と肩の力を抜き、症状と上手にお付き合いしていくことこそが、最も確実で近道となる治療法なのです。

2.なぜ「ずっと付き合う」と言われるの?IBSの複雑な原因とメカニズム

では、なぜIBSはこれほどまでに長く付き合う必要があるのでしょうか?その背景には、腸と脳が密接に影響し合う「脳腸相関(のうちょうそうかん)」という体のメカニズムが深く関わっています。 人間の腸には、脳に次いで多くの神経細胞が存在しており、「第二の脳」とも呼ばれています。なぜその症状が起きるのか、主な原因とメカニズムを3つのステップ・タイプ別に詳しく解説します。

  • 心理的・社会的ストレスによる影響

例えば、職場の人間関係の悩みや、家事・育児のプレッシャーなど、日常のストレスが脳に蓄積します。なぜなら、脳がストレスや緊張を感じると、自律神経を通じて瞬時に腸へ伝わるからです。結果として、脳からの指令が過剰になり、腸が異常に強く収縮したり痙攣したりして、急な腹痛や下痢を引き起こしてしまうのです。

  • 自律神経の乱れと知覚過敏

睡眠不足や疲労が続くと、腸をコントロールしている交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。なぜなら、自律神経が不安定になることで、腸の感覚が「知覚過敏」の状態に陥ってしまうからです。そのため、通常であれば全く気にならない程度のわずかなガスの発生や腸の動きに対しても、強い痛みや不快感として敏感に脳に伝わってしまうという結果を招きます。

  • 腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスの崩れ

外食が続いたり、偏った食生活をしたりすると、腸内の善玉菌が減少し悪玉菌が増殖してしまいます。なぜなら、背景にある食生活の乱れが直接的に腸内環境を悪化させる原因となるからです。その結果、腸粘膜が微弱な炎症を起こしやすくなり、便通異常(下痢型・便秘型・混合型など)が慢性化してしまうのです。

このように、IBSは、日々の生活習慣やストレス、神経の働きなどが複雑に絡み合って発症します。だからこそ、根本的に改善するためには、お薬を飲むだけでなく、生活全体を見直しながらじっくりと向き合う「時間」が必要になるのです。

3.「どうせいつもの腹痛だから」と放置していませんか?

「そうは言っても、仕事が忙しくて病院に行く暇がないし…」「ストレスが原因だと分かっているから、市販薬でごまかせばいいや」と、受診をためらってしまう患者様の心の葛藤が有ると思います。

しかし、「いつものこと」「私は大丈夫」と自己判断して検査を後回しにするのは、非常に危険な落とし穴があります。実は、過敏性腸症候群(IBS)と同じように「お腹の検査で異常なしでも腹痛や便通異常が続く」症状の中には、命に関わる恐ろしい疾患が隠れていることがあるからです。医療現場で私たち消化器内科専門医が実際に目にすることもあります。

数年前から下痢と便秘を繰り返しており、『いつものIBSだろう』と市販の整腸剤でやり過ごしていた40代の女性患者様。いよいよ痛みが強くなり、重い腰を上げて当院で大腸カメラ検査を受けたところ、進行した大腸がんが発見されました。あと少し受診が遅れていたら、命に関わる状態です。また別の30代の患者様は、単なるストレス性の腹痛だと思い込んでいましたが、検査の結果、国指定の難病である潰瘍性大腸炎(IBD)が同時進行で隠れていたというケースもあります。

いかがでしょうか。これらの事実は決して他人事ではありません。似たような症状であっても、万が一の重大な病気を見逃さないためには、自己判断をせず、まずは一度しっかりと専門医による精密検査(大腸カメラ)を受けることが極めて重要なのです。

4.当院だからできる、怖くない・恥ずかしくない大腸内視鏡検査

「検査が必要なのは頭ではわかっているけれど、大腸カメラはお尻を見られるのが恥ずかしいし、何より痛そうで怖い…」そんな理由で足が遠のいてしまう患者様のお気持ちに寄り添うために、当院では徹底した工夫と配慮を行っています。 当院(川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック)では、患者様の恐怖心をクリアにし、安心して検査を受けていただける強みがあります。

  • 熟練の「女性医師」によるミリ単位のコントロール

当院では、院長の木暮悦子をはじめとした消化器内視鏡の経験豊富な医師が検査を担当します。「男性医師にはどうしても相談しづらい」という女性患者様も、気兼ねなくリラックスして受けていただけます。女性ならではの細やかな配慮と、女性医師によるミリ単位のコントロールで、安全かつ的確に検査を進めます。

  • 痛みに配慮した高度な「軸保持短縮法」

従来のように腸を無理に押したり引っ張ったりするのではなく、大腸を伸ばさないで腸管のヒダを折りたたんで腸管を短縮し、ほぼ直線的に奥まで挿入する**「軸保持短縮法」**を採用しています。これにより、大腸内視鏡検査自体も痛みを感じることがありません。

  • 眠ったまま受けられる「鎮静剤」の活用

検査に対して強い恐怖心がある方には、静脈麻酔(鎮静剤・鎮痛剤)を使用しています。点滴でお薬を入れると、ほぼ眠ったようなリラックスした状態で苦痛無く検査が可能です。

  • お腹の張りを抑える「炭酸ガス」の送気

当院での大腸内視鏡検査では空気の代わりに、空気よりも200倍近く早く吸収されるといわれている炭酸ガスを使用します。そのため、検査後の腹部の張りや不快感はほとんどなく、患者様のご負担が軽減されます。

  • 徹底した「プライバシー配慮」

女性の患者様が周囲の目を気にせず安心して過ごせるよう、プライバシー配慮を徹底しております。検査終了後にゆっくり休んでいただけるよう、個別にリカバリースペースを設けています。

5.まとめ:お腹の不安を手放して、楽しい毎日を取り戻しましょう

ここまでお話ししてきたように、IBS(過敏性腸症候群)は「一生苦しみ続ける病気」ではありません。適切な検査で他の重大な病気がないことを確認し、ご自身の症状やライフスタイルに合った治療法を見つけることで、必ず症状はコントロールできるようになります。

「いつトイレに行きたくなるか分からない」という恐怖から解放されれば、「友達と気兼ねなくランチに行ける」「旅行や趣味を心から楽しめる」といった、明るくポジティブな未来が待っています。早期発見し、専門医のサポートを受けながら治療すれば、毎日が驚くほど快適に変わるのです。

「お腹の不調が続いているけれど、どうしたらいいか分からない」と一人で悩まずに、まずは私たち川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニックにご相談ください。頼れる専門医として、あなたの健康な毎日を取り戻すために全力でサポートいたします。

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