• 2026年9月21日
  • 2026年9月18日

虚血性大腸炎とは?突然の腹痛と血便が出た時の対処法【溝の口消化器内科専門医監修】

こんにちは、川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック(旧木暮クリニック)です。

「便秘で急にお腹が痛くなり、トイレに行ったら突然真っ赤な血便(下血)が出てパニックになった……」 「左下腹部に締め付けられるような激痛が走り、何度も下痢や血便を繰り返して不安でたまらない」

このように、突然襲ってくるお腹の激痛と目に見える鮮血や血便に、強い恐怖や混乱を感じておられる患者様は非常に多くいらっしゃいます。 血便を目にすると、「もしかして命に関わる大腸がんでは?」「今すぐ救急車を呼ぶべき?」と焦り、どう対処すればよいのか分からなくなってしまう方も決して少なくありません。

突然の左下腹部痛と血便を引き起こす代表的な疾患の一つが、「虚血性大腸炎(きょけつせいだいちょうえん)」です。

この記事では、虚血性大腸炎とはどのような病気なのか、なぜ突然の腹痛と血便が起きるのかというメカニズム、血便が出た時に「すぐ行うべき応急対処法」、そして自己判断で放置することの危険性について、消化器内科専門医監修のもと詳細に解説します。

この記事を最後までお読みいただくことで、突然の血便に対する正しい対処法と受診のタイミングが明確になり、冷静で適切な行動が取れるようになります。ぜひ最後まで安心して読み進めてみてくださいね。

1.虚血性大腸炎とは?突然の腹痛と血便が起きるメカニズム

まず最初にお伝えしたい結論は、「虚血性大腸炎は、大腸の壁へ血を送る血管が一時的に詰まり、酸素不足になった腸の粘膜が傷ついて出血する病気であり、速やかな消化器内科の受診が必要である」ということです。

虚血(きょけつ)とは、「組織への血流が一時的に途絶えたり、著しく減少したりして酸素や栄養が届かなくなってしまう状態」を指します。

大腸の中でも、特に左腹部から下腹部にかけて存在する「降順大腸」や「S状結腸」は、解剖学的に血管の網の目が少し薄く、血流が滞りやすい構造をしています。そのため、何らかの原因で血管が痙攣(けいれん)を起こしたり、一時的に動脈硬化などで狭くなったりすると、腸粘膜が虚血状態に陥ってしまいます。

虚血が起きると、お腹の中で以下のような特有のステップが急速に進行します。

  • ステップ1(突然の激しい腹痛):血流が途絶えた瞬間、特に左下腹部に絞り込まれるような激痛(急激な蠕動運動の亢進)が襲います。
  • ステップ2(下痢から血便へ):酸素不足になった大腸の粘膜が傷ついてただれ(潰瘍)、表面から出血が始まります。最初は普通便〜泥状の下痢が出ますが、すぐに粘膜からしみ出た血液が混ざり、鮮やかな赤〜暗赤色の「血便(下血)」へと変化します。

虚血性大腸炎は、高齢の方だけでなく、便秘がちな30代〜50代の方にも頻繁に発症する非常に身近な急性消化器疾患なのです。

2.虚血性大腸炎を引き起こす主な原因とトリガー

では、なぜ大腸の血管が突然詰まったり狭くなったりしてしまうのでしょうか。主な原因と発症のトリガー(引き金)には以下の要素が挙げられます。

❌ 虚血性大腸炎を招く4つの主な引き金

  1. 慢性的な便秘と、排便時の「激しいいきみ」

発症のきっかけとして最も多いのが「便秘」です。硬い便を排出しようとトイレで強く息を止めたいきむと、腹圧が急激に上昇して腹部の血管が強く圧迫されます。さらに、いきんだ反動で血管が急激に収縮し、大腸への血流が一瞬で遮断されて虚血を引き起こします。

  1. 動脈硬化や生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)

加齢や生活習慣病によって大腸の血管壁が硬く狭くなっていると、わずかな血圧の変動や血管の痙攣で容易に血流が途絶えてしまいます。

  1. 脱水症状(水分の摂りなさ)

夏場の汗をかいた時や、水分の摂取量が不足していると、血液がドロドロになって血栓(血の塊)ができやすくなり、微小な大腸の血管を詰まらせる原因になります。

  1. 動脈硬化を促進するストレスや薬剤の影響

過度なストレスや疲労、また特定の処方薬(利尿剤や便秘薬の乱用など)が自律神経を乱し、血管の過剰な収縮を引き起こすことがあります。

3.突然の腹痛と血便が出た時の「正しい3つの対処法」

もし、突然の左下腹部痛と血便(下血)に見舞われた場合、パニックにならずに落ち着いて以下の「3つのステップ」で対応してください。

今すぐ取るべき「3つの応急対処法」

  • 1. 食事や水分を一旦控え、安静にする

血便が出ている状態で胃や腸に食べ物が入ると、消化のために大腸が激しく動き出し、出血や傷口(潰瘍)を悪化させてしまいます。自己判断で市販の鎮痛剤や下痢止めを飲むのも厳禁です(腸の動きを止めることで症状を悪化させる恐れがあります)。横になってお腹を休めましょう。

  • 2. 便の様子(色・形状・回数)を記録・撮影しておく

医師が診察する際、「どのような色の血便が何回出たか」は非常に重要な診断材料になります。スマートフォンで便の写真を撮影しておくか、鮮血(真っ赤)なのか暗赤色(ワインレッド)なのか、便自体に混ざっているのか血だけが出るのかをメモしておくと診療が非常にスムーズになります。

  • 3. 速やかに「消化器内科」を受診する(救急の判断)

自己判断で経過観察をせず、できるだけ早く消化器内科クリニックを受診してください。 ※ただし、「立っていられないほどの激痛がある」「大量の真っ赤な血がドバドバと出る」「冷や汗やめまい、意識が遠のく感覚(貧血症状)がある」といった場合は、我慢せずにすぐに救急車を呼んでください。

4.「すぐ治ったから」と自己判断で放置する危険性

虚血性大腸炎の多くは、一時的に血流が途絶えただけの「一過性型(いっかせいがた)」であり、適切な安静や消炎治療を行うことで、数日から1週間程度で粘膜が再生し、自然に症状が落ち着くケースがほとんどです。

そのため、「血便が出たけれど、次の日には痛みが引いたから病院に行かなくていいや」と自己判断で受診を見送ってしまう患者様がいらっしゃいます。

しかし、消化器内科専門医として、この「痛みが引いたからと放置すること」には強い危機感を持っています。

⚠️ 医療現場で実際にあった、見落としの後悔事例

突然の左腹痛と血便に襲われたものの、翌日には痛みが和らいだため『ただの痔かお腹の風邪だろう』と病院に行かず放置していた50代の患者様。しかし、1ヶ月後に再び激しい腹痛とお腹の張りで倒れ、病院を受診。検査を行ったところ、1ヶ月前の虚血性大腸炎の傷跡が引きつれて潰瘍になり、腸の通り道がストローのように狭くなってしまう『狭窄型(きょうさくがた)』へと進行していたことが発覚。

腹痛や血便という症状は、虚血性大腸炎だけでなく、大腸がん、大きな大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、大腸憩室出血といった、一刻も早く治療を開始すべき他の重要な疾患のサインと全く区別がつきません。

「痛みが引いた=治った」と決めつけるのではなく、大腸カメラで粘膜を直接観察し、「他の怖い病気が隠れていないか」「腸の粘膜が正常に回復しているか」を確認することが、将来の重症化や見落としを防ぐための絶対条件となります。

5.当院が提供する「怖くない大腸カメラ」と確実な診断

「大腸カメラを受けるべきなのは分かったけれど、お腹が痛い時にカメラを入れるなんて痛そうで怖くて耐えられない……」 「お尻からカメラを入れるのが恥ずかしくて受診を躊躇してしまう」

そんな強い不安や葛藤を抱える患者様のために、川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニックでは、徹底的に苦痛と心理的ハードルを取り除いた精密検査を行っています。

腸を無理に伸ばさない高度な挿入技術「軸保持短縮法」

大腸カメラ検査で激しい痛みを感じる最大の理由は、経験の浅い医師がスコープを力任せに押し込み、お腹の中で複雑に曲がりくねっている腸の壁をグーッと引き伸ばしてしまうからです。 当院の消化器内科専門医が実践する「軸保持短縮法(じくほじたんしゅくほう)」は、スコープを押し込むのではなく、アコーディオンのように腸を手前に優しく引き寄せ、直線的に折りたたみながら進める高度なテクニックです。腸の壁が一切引っ張られないため、患者様が腸の奥で突っ張るような痛みを自覚することはありません。

鎮静剤の活用で「うとうと眠っている間」に終了

当院では、点滴から少量の鎮静剤を使用します。お薬が入ると数十秒で深いリラックス状態に導かれ、意識がうとうとと心地よく眠っているような状態になります。痛みや恐怖心を脳のレベルでまったく感じないまま、ほとんどの患者様が「えっ、もう終わったんですか?」と驚かれるうちに検査が終了します。

熟練の専門医による安心の診療環境

当院では、経験豊富な消化器内科専門医が細やかな配慮を持って診療にあたっています。プライバシーに最大限配慮した個室環境や、スリット付きの使い捨て検査着をご用意しておりますので、デリケートなお悩みも安心してお話しいただけます。虚血性大腸炎の急性期には無理な検査を避け、お身体の状態を見極めた上で最適なタイミングで安全に検査を行います。検査中に将来がん化するリスクのある大腸ポリープが見つかった場合は、その場で切除する「日帰りポリープ切除」にも対応しています。

6.まとめ

突然の腹痛と血便は、身体があなたに発してくれた非常に重要な危険信号です。激しい症状に焦って絶望する必要はありませんが、「痛みが引いたから」と放置することは絶対にやめましょう。

大腸がんは、早期(ステージI)のうちに発見してポリープの段階で切除してしまえば、95%以上が確実に完治する病気です。虚血性大腸炎をきっかけに大腸カメラを受け、腸全体の安全を確認することは、将来の大きな病気を予防するための絶好の機会にもなります。

「痛そうだから」「恥ずかしいから」と一人で不安を抱え込む必要はまったくありません。当院の熟練の専門医による「軸保持短縮法」と「鎮静剤」を組み合わせた、大腸カメラをぜひ頼ってください。川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニックが、あなたの不安な気持ちにどこまでも寄り添い、健やかな毎日を全力でサポートいたします。

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