- 2026年6月22日
- 2026年6月21日
そもそもIBS(過敏性腸症候群)とは?お腹の検査で「異常なし」でも腹痛や便通異常が続くワケ【消化器内科専門医監修】
こんにちは、川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック(旧木暮クリニック)です。
「毎日のようにお腹が痛む、下痢や便秘を繰り返す……」
そんな辛い症状を抱えて病院に行き、大腸カメラや血液検査を受けたのに、
医師から「どこも異常ありませんね」と言われて戸惑った経験はありませんか?
「じゃあ、この毎日の苦しさは何が原因なの?」と、
原因不明のまま一人で悩み続けている患者様は非常に多くいらっしゃいます。
実は、このように「検査をしても炎症や潰瘍、がんなどの目に見える異常がないのに、腹痛や便通異常が続く状態」を、
医学的にIBS(過敏性腸症候群:Irritable Bowel Syndrome)と呼びます。
この記事では、そもそもIBSとはどんな病気なのか、なぜ検査で異常なしと言われるのか、
そのメカニズムと当院での治療について、
消化器内科専門医監修のもと分かりやすく解説します。
1.お腹の異常で病院にいったのに検査では「異常なし」と言われる理由とは?
大腸カメラやCT検査は、主に「腸の形(構造)」に目に見える異常がないかをチェックするものです。
例えば、がん、ポリープ、潰瘍性大腸炎などの強い炎症がないかを見ています。
ですが、IBSの患者様の腸をカメラで見ると、粘膜そのものは非常にピンク色でツルツルしており、まさに「異常なし(綺麗)」に見えます。
その理由は、IBSは腸の「形」の病気ではなく、腸の「働き(機能)」の病気だからです。 カメラという静止画では写らない、「腸の動きの激しさ」や「神経の過敏さ」が原因であるため、
一般的な検査では「異常なし」という結果になってしまうのです。
2.そもそもIBS(過敏性腸症候群)とは?3つのタイプ
IBSは、日本の人口の約10%(およそ10人に1人)に見られる非常に身近な病気で、
特に20代〜40代の女性に多いことが分かっています。
症状の現れ方によって、主に以下の3つのタイプに分類されます。
- 下痢型(男性に比較的多い)
突然激しい腹痛に襲われ、水のような便が出る。通勤電車の中や大事な会議の前などに症状が出やすく、プレッシャーに弱いのが特徴。
- 便秘型(女性に圧倒的に多い)
腸が痙攣(けいれん)してしまい、便がスムーズに送られず、ウサギのフンのようなコロコロとした硬い便になる。お腹のはり(膨満感)が強い。
- 混合型(交互型)
数日おきに下痢と便秘を交互に繰り返す、非常にコントロールが難しいタイプ。
どのタイプにも共通するのは、「排便をすると、一時的に腹痛が和らぐ」という特徴があることです。
3.なぜお腹が痛くなる?IBSを引き起こす「脳腸相関」
では、なぜ「形」は綺麗なのに、腸の働きが暴走してしまうのでしょうか。
その鍵を握るのが、脳と腸の密接なネットワーク「脳腸相関(のうちょうそうかん)」です。
① ストレス信号がダイレクトに腸へ届く
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、独自の神経ネットワークを持っています。自律神経を通じて脳とダイレクトに繋がっているため、脳が不安やプレッシャー(ストレス)を感じると、その信号がすぐに腸へと伝わり、腸が異常な痙攣(過剰な便通運動)を起こしてしまいます。
② 内臓知覚過敏(神経のバグ)
IBSの患者様は、腸の神経が通常よりも非常に敏感(内臓知覚過敏)になっています。健康な人なら気にならないような「少し便やガスが溜まっただけ」の刺激を、神経が過剰にキャッチしてしまい、脳へ「激しい痛み」として伝えてしまうのです。
4.自己判断は禁物!まずは「本当にIBSか」を確かめる大腸カメラを
「私はストレスが多いし、きっとIBSだから放置して大丈夫」 そう考えて病院に行かないのは非常に危険です。
なぜなら、IBSと全く同じ症状(腹痛、下痢、便秘)を起こす別の病気(初期の大腸がん、炎症性腸疾患など)が隠れている可能性があるからです。
IBSという診断は、あくまで「大腸カメラなどで他の重い病気がないことを100%確認して初めて、自信を持って下せる診断」なのです。
当院の「怖くない・痛くない」大腸カメラ
「検査が怖いから病院に行けない」という女性患者様のために、当院では以下の工夫を行っています。
- 軸保持短縮法
腸を無理に伸ばさずアコーディオンのように折りたたむ高度な技術で、挿入時の痛みを極限まで抑えます。
- 鎮静剤の活用
点滴からお薬を入れることで、うとうと眠っている間に検査が終わります。
- 女性医師による診療
便通の悩みというデリケートな問題も、同性の専門医が優しく丁寧にお伺いします。
5.まとめ
お腹の検査で「異常なし」と言われたのに不調が続くのは、あなたの気のせいでも、我慢が足りないせいでもありません。腸の働きや神経の繊細さが原因の「IBS」という立派な病気です。
IBSは適切な食事指導や、近年登場している「腸の動きをコントロールするお薬」「お腹の神経の過敏さを和らげるお薬」などによって、劇的に改善できるようになっています。
「毎日のお出かけや通勤が不安……」という方は、
一人で抱え込まずに、ぜひ川崎溝の口こぐれ大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニックにご相談ください。
あなたの腸の個性に合わせた最適な治療法を、一緒に見つけていきましょう。
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